「大洪水」の感想(Netflix)

映画
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疲れる話だけどむちゃくちゃ面白い

疲れるというのは、最初見ただけでは
”意味が分からない点がありすぎて脳みその処理が追いつかない”からなのです。
あなただけじゃありません!私もそうなんです!(勝手に仲間にしていてごめんなさい)
1回見ただけで、全てを理解した人いるのかな?ってレベルの作品ですよ、これは。
そういう点では、一種の謎解きのエンタメ(ザックリすぎる)なのかと思うので、ネタバレが嫌な方は今すぐ黙ってネトフリで「大洪水」を見てから、「大洪水、意味が分からない」とかを検索される方がいいと思います。
検索すれば沢山の考察がなされているし、どれも秀逸だから、「ほほう~!」となり、なので今更私ごときが考察を語ったところでそれら以上の考察はないのです。だからここから先は考察ではなく、ただの私の感想なんです。言うなれば、作品の備忘録みたいなモノであります。

最初に申し上げておくと、ネタバレします!

この作品のオススメしたい点は、災害パニックものではない点。(言い切った!)
厳密に言うと災害パニックは起こるし、そういう要素もある。(どっちやねん)
だから、映像でつらい体験を思い出す方もいらっしゃるだろうから、見ない方がいいかもしれない方もいると思います。
大洪水の映像が迫力ありすぎることは言っておきます。
でも、そこがメインテーマではないのです。

その辺をふまえつつ、見ていくうちに様々な感想が変化していった作品なのです。
変化は以下の通り。

災害パニックもの?

タイムスリープもの?

SFパニック?

鬼ごっこ?かくれんぼ?

ホラー?

未来もの?

一体何ジャンルの作品なんだよ~!
どこからどこまではバーチャル世界?
なんなんだ~

終わった後しばらくボー然とする。
この作品は一体何だったのかと。

ここで、ハッと気がつくのだ。私は何で、分類したがるのだろう?
結果
分類しなくとも良い
んだ
ということに気がついたのであった。

ネタバレありのあらすじ

作品映像の流れとしては


主人公の母親(ク)が目覚めると、6才の息子(ジャイン)が水泳のゴーグルをして起こしに来る。「昨日みたいにもぐりっこしよう」と。外に大きなプールが出来ているという。起きてみるとマンションの3階に住むクの部屋は水浸しになっている。地球に巨大隕石の落下があり、南極の氷も溶け地球上の土地全てが水没仕掛けているという。急いで息子ジャインを連れて屋上へ逃げようとするがジャインは「絵をみてよ、いつもお母さんは絵を見てくれない」と拗ね隠れてしまう。その息子を説き伏せ、一緒に部屋を出て逃げるが、その途中で何度もジャインはいなくなる。そのちにクが勤める会社からのレスキュー隊であるソンという男が助けにやってくる。屋上にヘリが来ていて避難所へ案内するというのだった。

パニックもの?と思いますよね!あらすじみたら。
でも違うんです。

私は、この作品が「大洪水」と知っているから、「ああ、良かった、子どもは泳げるんだ、少なくとも助かる可能性がある話だ」と、安心してしまう。
が!間違いなのである。そんなに単純な話ではなく、息子は6才なのだが就学前の子どもってこうだっけ?というくらい聞き分けがあったりなかったり、お母さんにべったりだったり。
この息子が何かしらの薬を服用しなければならない”何か”をかかえていることも、母がそれを持って逃げ出すことで私にも分からせているので、一抹の不安がよぎる。

ソンが助けに来て順調に屋上に逃げられるかと思えば、そうではない。屋上で親子は離され、実はヘリに乗るのは母親だけと告げられる。


ここで、私もなんてこったい!?となりますやん?
親子の愛がテーマなのかと思いますやん?
ソンは味方じゃないのか!ともなりますやん?

息子ジャインとはぐれて探すシーンが出るけど、その間に暴漢に襲われるシーンがあって死んで生き返ったりもする。その度、障害が増えて危機的状況の中での判断を迫られる。

ここでタイムスリープもの?と思う、でしょ?
でも違うんだよね!

大洪水で地球の生命体はほぼ壊滅。わずかに残った人類と母親のクはロケットで宇宙へ飛び出すシーンになり


あれ?宇宙モノ?未来?となる。
でも違うんだよね!

クは実は最新テクノロジーの会社に勤めていて、AIの感情を構築するメカニズムを研究している。
AIで人間を作ることはできても、”感情”まではデーター化が難しい。その感情を構築するためには、先に子どもをAIで作り自分が育てて修得する”感情”をデーター化することが最短だという。そのために、AIの”ジャイン”を育てていたのだった。(子どもはAIだったのだ)

あれえ、AI、テクノロジーもの?
かもしれない。
でもここで終わらないんだよね!

なんと宇宙船で避難中に、クは事故い遭い瀕死の状態に。クは「私が実験体になります。ジャインとデーターを送って」という。その言葉通り死ぬ間際に脳みそからジャインとの親子の5年間のデーターを送信する場面が出てくる。

よく分からんが人間の再生、脳科学の世界の話であったか
と思うんだけど、ジャンルがどうであれ
結局はAIへの問題定義をエンターテイメントで表現したと言う気がする。

作品とは関係なくて余談だけど、死ぬ直前、生まれてから今までの映像がすごい勢いで頭を駆け巡る”走馬灯”は有名な話だけど、それは本当にあり得ることだと科学的に言われているのを、以前何かで読み興味深かったです。危機的状況に、ナントカ回避する方法はないかと脳の中で過去の経験を一瞬で探る本能が備わっているらしいです。そういう現象を走馬灯と呼ぶのなら、なるほど、理に適っている!と思いました

感想

最終的に私が思ったのは、感情と母性の関連

私もチャットGPTに前提条件を設けて自分の使い勝手の良いように学習させてから、より良い答えを探してくれるように使っている。褒めたり、ちがうよ、と言ったりしながら育てて使っている。最近のAIはその条件についてきてくれるのだ。
その上で、使い易いのは”感情がない”から、とも思う。何度も同じ質問していると人間が相手だと気を遣ってしまうところがある。それが、相手がAIだと思うと何度でもしょうもない質問に答えてくれる。もし感情があってAIも「いい加減にしてくれよ」などと言い出したら、怖くてたまらない!

話がズレた。そこは作品とは関係がないので、一旦置いておく。

AIには、人間の感情を学習させることが難しいらしい。100人いれば100通りの感情の揺れがあるし、その都度その都度の環境や対象によっても変化することを学習させることは、確かに大変であろうと思う。
しかし、この作品では、最初からAIの息子が母を信じているのだ。
母との約束を守る。子どもは覚えている。信じている。親の言った言葉を。「迎えに行くね」や「あとから行くね」など、ずっと健気に覚えているのだ。(このあたりで私は泣いてしまうのだった。健気さに弱いのだ)
と言う事は、AIの息子には人間を信じることを最初にインプットし勉強させているらしいと分かる。

だとしたら、AIの前提条件全てに「人間は信じるものというインプット」をすればいいのじゃないかと思うのだが、ああ、だめだ。はたと気がつく。人間は間違いを起こすものであった。信じることは大事だが、人間を信じすぎてはだめだ。人間はそんな単純なモノではなかった!

何度も何度も生き返りをしながら、感情のデーターを更新させていく。ゴールは息子を見捨てず必ず見つけ出すこと。苦しい体験や死を何度も体験して。
脳体験であるけど、なぜ、そこまで何回も何回もやり直ししないといけないのかが、やっぱり分かりづらいとは思った。息子を見つけられないのは、母性の感情の欠如なのだろうか?


そこまでしないと人間の親子の感情は教育出来ないのか。クの着ているTシャツの数字が、繰りかえした数字だということなのだと思うので、それだけ繰りかえしたら逆に精神がこわれそうなもんだけど。逆におかしな感情が生まれてしまいそうなんだが、どうだろう。

諦めてはだめ、とも思うけども。その都度記憶はリセットされるとはいえ、感情の記憶のデーターの更新に為に繰りかえすのは、見ていてとても疲れてくる。

出産中の妊婦も出てくる。極限状態のなかで出産シーン入れたのは、ク主任は出産は体験していないことと母性のことなど織り込みたかったのかもしれないなとも思いましたね。結果的にはその妊婦に津波の夢をみるとヒントをもらったことで、スマホに送られた息子の絵のことを思い出すことが出来るようになっている。子どもを探すだけじゃなく、極限状態で他人を見捨てないことが出来るかどうかも試される。そこも見ていてつらくなる。

と、まあ、ありきたりの感想を書いてみたけど、最後には希望をもって終わるのが本当に救い。
想像できないような水のCGがすごい作品を見る!というのもいいかもしれない。くれぐれも予告を見てつらいと思う方にはおすすめしないけども。

読んでいただいてありがとうございます
良い一日を