
『流浪の月』
後評判も聞かず
前評判も聞かず
フラットな状態で見に行きました
広瀬すず様、松坂桃李様主演です

横浜流星様
多部未華子様
俳優陣皆さんがすばらしいです
松坂様におかれましては、
身体の極限の細さに驚きました
成人の男子があんなに
役で細く
ガリガリになるモノでしょうか
もちろん撮り方もあるでしょうが
成人男性がそこまでやせ細るなんて
どんなつらい現場で
あったのか恐ろしくさえ思います
(尊敬しました)
その松坂様を筆頭に
だれもかれも
子役の方も
趣里様
柄本明様すべてが
”上手い”のです
(絶賛します)
以下がっつり
ネタバレしますね
内容的には
重めな映画ですが
破滅や絶望だけの
映画ではありません
人の悩みや抱えてる問題は
他の人から見たら
全く想像もつかない
分からないもので
主人公の女の子は
幼い頃から
理不尽なつらい
現実を生きてる
仕方なく
仮住まいの家に
(居候している為)
帰りづらい少女が
心と身体に傷みがある青年と
雨の日に公園で出会い
その青年のやさしさに
すがりつくように
ついていってしまう
当然青年は
成人だし
女の子は未成年で
成人男子が少女を
勝手に連れ帰れば
誘拐になってしまう
でも、その少女は
青年についていってしまうのだ
幼いながらも
いけないことだと
分かっていながら
青年は追い返さない
傷ついている少女は
そこにすがるしかなかったのだ
そこは同情する
当然
誘拐事件になってしまう
捕まるまでの
少女と青年のつかの間の
寄り添うような
幸せの時間が
世間から見れば
青年による
少女連れ去りの
凶悪事件となり
青年は罪に問われ
一生消えない
犯罪者の烙印が
押されてしまう
そうして
青年と少女は
加害者と被害者として
離ればなれになる
しかし映画はそこで終わらない
そこから15年後に
また2人の
運命を交差させるのだ
15年後に
偶然に出会ってしまう
当事者の2人
過去は”罪”として
ずっといつまでも
消えない
ネットが過去を
暴き出す時代だから
過去を隠したくても
そこからは
逃げられない2人
15年後
穏やかに静かに
青年は淡々と
穏やかに暮らしていた
(心の傷は一生消えなくても)
ひょっとしたら
誘拐事件がなければ
もっと傷つかずに
青年はそれなりに幸せに
過ごせたかも
しれないとは思うが
実は誘拐事件の前から
男は秘密があって
心に傷があるので
複雑なのだ
一方15年後
大人になった少女は
自分のせいで
捕まってしまった男が
罪人になったことを
心のどこかで
悔やみ生きている
彼女は少なくとも
当時
男のもとでつかの間
幸せだったから
少女はその事件当時
まだ子どもで被害者の立場で
あったために
立場的に同情されて
若干生きやすいように
描かれてはいるが
やはりネットで過去が
分かりすぎる現代
つらい生活では
あっただろうとは思う
いろいろあったにせよ
15年後の少女は
美しく成長し
それなりに
仕事にも就いているし
なおかつ
横浜流星様が演じる
素敵な恋人と同棲中なので
幸せになったのかな、と
映画を観ている観客に
一瞬思わせる
(実はそれはまやかしだが)
ここも上手いなあと思う
脚本的にも

印象に残ったのは
川が出てきて
橋を渡るシーンがまさに
人生の岐路の象徴のようで
ここで少女と青年が
もっと違う方法を選んだならば
川を渡らなかったら
引き返したならば
違う人生があったかも
などということを
観客に考えさせ
何度もこのシーンを
フラッシュバックさせることで
少女の後悔を感じさせる
それくらい
川のシーンは
印象的に
出てくるのだ
言えることは
起こしてしまった
過去はもどせない
人生とは
そういうもの
松坂桃李様演じる
男の秘密も最後の最後に
暴かれるのだが
この時の衝撃は
忘れられない
エンディングは
一旦のけじめがあって
終わります
責任を背負いながら
二人で生きていくように
見えるので
光は見えるし救いはある
とにかく
映像がキレイです
美しいです
なんといっても
広瀬すず様の美しさに
特化しています
若さと
美しさと
演技の上手さと
圧倒されます
人物以外の
月や、川、水、雨、コーヒーショップ
アンティークショップの店内もグラスも
こだわりの美しさで
映画の映像美に
妥協はありませんでした
観ていて眼の栄養になりました
それだけでも
この映画を観てよかったなと
思いました
さて
同じ李 相白監督が撮られた
『悪人』を見たことがありますが
その映画を思い出しました
なんとなく
根底に流れるモノが
似ています

殺人を犯した男に
くっついて回る(言い方)女性
が出てきます
こちらは少女ではなく
成人女性です
男性は誘拐したつもりはない
(少なくとも)
ただ、男自身は
破滅に向かっている
自分が犯した
犯罪から逃げているのです
女は男に無理やり
連れていかれるわけではない
自分の意思で自ら
付いて行っている
でも世間から見れば
当然誘拐になる
その女性の方に
同情が集まるのだが
私には
どう考えてもこの女性が
自分勝手で
”いい人”に思えないし
共感できなかったです
(私はきっと観ながら
妻夫木様演じる主人公の方に
同情しはじめたのだと
思います→おもうつぼかも)
女性の役をされたのは
深津絵里様でしたが
深津様がモテないわけがないんで
似合わないかなあと
思ったのはここだけの話
結婚願望とかモテたいとか
恋愛願望はあるけど
思うようにならない役を
されてるんですが
深津様という
ステキさが美しさが
やっぱり根底にあって
もっと、醜い感じがあって
いいんじゃないだろうかと
思いました
このへんは
私が深津様を好きすぎるのかも
しれないですね
(個人的にひがみでしょうか?)
まんまと監督に
そういう風に
誘導されてるのかもしれませんが
でも
当時一緒に見た友人と映画の感想を
言い合ったときに
深津様の演じられた女性に対しての
考え方が
真反対で、そのことを
おもしろいなーと思った事を
思いだしました
そして
岡田将生様が
めちゃくちゃ嫌な役で
出ています
イライラするほど
演技が上手い
美しい人が
嫌な役やると
憎さ100倍ですね
(褒めてます)
そこがまた映画の
楽しいところですよね
あの頃より
私も人生を重ねたので
今、この映画を見直したら違う
感想をいだくのかも
しれませんけど

つれづれなるままに感想や、好きなことを
気軽にブログに書いてます
ご訪問ありがとうございました